ゴミ屋敷問題が極限まで進行し、屋外にまでゴミが溢れ出し、近隣住民から自治体へ苦情が殺到するような「最悪ランク」の現場では、残置物撤去の費用もまた、一般的な想像を絶する領域に達します。このような現場は、いわゆる「レベル五」と定義され、建物内部がゴミで完全に充満しており、階段すら登れず、窓が内側から突き破られそうになっているような状態を指します。今回の検証では、こうした最高難易度の現場において、なぜ費用が三百万から五百万といった高額なものになるのか、その理由を解剖します。まず、最大の要因は、ゴミの「圧倒的な重量と密度」です。通常、ゴミ屋敷のゴミは上層部は軽いものが多いですが、下層部は数年分の湿気を吸い、さらに生ゴミや排泄物が固着して、石のように重くなっています。これを運び出すには、通常の倍以上の人手が必要となり、さらにはゴミの雪崩を防ぐための足場作りや、建物の崩落を防ぐための補強など、建築現場のような工程が必要になります。次に、廃棄物の内容が極めて複雑であることが挙げられます。最悪ランクの現場では、火災を誘発しかねないスプレー缶やライターが数千単位で埋もれていたり、中身の入った大量のペットボトル、さらには腐敗した食品から発生した強烈なメタンガスなどが充満しているため、これらを一つずつ手作業で仕分けるコストが膨大になります。さらに、こうした現場では孤独死が伴っていることも少なくなく、その場合は特殊清掃としての除菌、消臭、血痕の除去などが必須となり、その薬剤費や技術料だけで数十万円が加算されます。また、近隣住民への配慮として、大量のゴミを運び出す際に臭いや埃を遮断するための大型テントを設置したり、通行人を誘導する警備員を配置したりすることもあり、これらも全て費用に跳ね返ります。行政代執行が行われる場合、これらの費用は全て所有者や親族に請求されますが、あらかじめ民間の業者に依頼して計画的に撤去を進める方が、結果としてコストを抑えられる場合が多いのも事実です。最悪ランクのゴミ屋敷における残置物撤去は、単なる片付けではなく、地域全体の安全を守るための「災害復旧作業」に近い性質を持っており、その費用は、失われた時間と安全を取り戻すための代償として、冷酷なまでに現実を突きつけてきます。早期の介入がいかに重要であるか、この検証結果は改めて私たちに警告を発しています。
最悪のランクに分類されるゴミ屋敷の残置物撤去費用を検証する