専門業者に依頼し、いよいよゴミ屋敷の片付け当日を迎えたとき、依頼者本人はどのような心構えでいれば良いのでしょうか。長年、自分を苦しめてきた問題が解決へと向かう希望と共に、見知らぬ他人が自分のプライベートな空間に入ってくることへの不安や羞恥心、そして大切な物を捨てられてしまうかもしれないという恐怖が入り混じり、複雑な心境になるのは当然のことです。しかし、当日の大まかな流れと、業者がどのような点に配慮しながら作業を進めてくれるのかを事前に知っておくだけで、その不安は大きく和らぎます。 まず、作業が始まる前に、必ず責任者との最終的な打ち合わせが行われます。ここで最も重要なのが、「残しておきたい物」と「処分しても良い物」の最終確認です。通帳や印鑑、現金、貴金属といった貴重品はもちろんのこと、写真や手紙、趣味のコレクションなど、他人には価値が分からなくても本人にとってはかけがえのない思い出の品について、具体的に伝えましょう。「この棚にある物は全て残してください」「洋服だけは一度全て目を通したいです」といったように、明確な指示を出すことが、後悔を防ぐための最大のポイントです。 打ち合わせが終わると、作業スタッフはまず、玄関からゴミを運び出すための通り道を確保する「動線の確保」から作業を始めます。これにより、安全かつ効率的に作業を進めるためのルートが作られます。その後、部屋ごとに担当者を分け、ゴミの分別と袋詰めが本格的にスタートします。この時、熟練したスタッフは、ただ闇雲にゴミを袋に詰めていくわけではありません。一つ一つの物を手に取り、明らかにゴミだと判断できるもの以外は、「これはどうされますか」と依頼者に確認を取りながら、丁寧に作業を進めてくれます。 作業中は、必ずしも現場にずっと立ち会っている必要はありません。精神的な負担が大きいと感じる場合は、別の部屋で待機したり、一時的に外出したりすることも可能です。大切な物が出てきた際には、スタッフがその都度声をかけてくれます。全てのゴミが運び出され、がらんとした部屋に清掃が施された後、最終的な確認が行われ、作業は完了となります。片付け当日は、過去の自分と決別し、新しい一歩を踏み出すための儀式です。信頼できるプロに全てを委ね、少しだけ肩の力を抜いて、生まれ変わっていく自分の城を見守ってください。
ゴミ屋敷片付け当日の流れと心構え