私はかつて、いわゆる「汚部屋」と呼ばれる、足の踏み場もないほどゴミが溜まったマンションの一室で暮らしていました。その頃の私は、常に体調が悪く、一ヶ月に一度は必ず熱を出し、咳や鼻水が止まらないという慢性的な病弱状態にありました。当時は「仕事が忙しくて疲れているから、免疫力が落ちているのだろう」と自分を納得させていましたが、今思えば原因は明らかに部屋の環境にありました。寝床のすぐ横には食べ終えたコンビニ弁当の容器が積み重なり、カーテンには黒カビがびっしりと付着し、床には数年分の埃が厚く積もっていました。そんな生活を続けていたある日、肺炎を患って入院することになり、医師から「生活環境が原因で肺がボロボロになっている」と告げられたことが、私の人生の転換点となりました。退院後、私は意を決して専門の清掃業者を呼び、部屋のゴミを一掃しました。ゴミ袋にして五十袋分、家具もほとんどを新調し、壁の隅々まで消毒を行いました。驚くべき変化は、その直後から現れました。まず、朝起きたときの喉のイガイガ感が消え、呼吸が驚くほど楽になったのです。そして何より、あれほど頻繁にひいていた風邪を、全くひかなくなりました。掃除によって、私の免疫システムを日々攻撃し続けていた「敵」がいなくなったのだと確信しました。それまで私の免疫細胞たちは、部屋中に漂うカビや埃を相手に、二十四時間体制で無駄な戦いを強いられていたのです。敵が排除されたことで、私の体は本来持っている自然治癒力を取り戻し、細胞レベルでの活性化が始まったのだと感じました。掃除を終えてからは、自分の体に対する意識も劇的に変わりました。清潔な部屋で眠ることがこれほどまでに深い休息をもたらし、免疫力を高めるために不可欠な質の良い睡眠に直結することを、身をもって学んだのです。汚部屋時代の私は、常に「見えない毒」に囲まれて暮らしていたようなものでした。もし今、かつての私のように体調不良が続いて悩んでいる方がいるなら、まず自分の周りの環境を疑ってみてください。免疫力という最強の武器を宝の持ち腐れにしないためには、その武器を正常に機能させるための土壌、すなわち清潔な住まいが不可欠です。私の体験が、誰かの重い腰を上げるきっかけになれば幸いです。
汚部屋脱出で風邪をひかなくなった私の体験記と免疫の再生