免疫力を高めるための活動(免活)において、近年注目されているのが「捨て活」、つまり不要な物を徹底的に手放すことです。ゴミ屋敷とまではいかなくても、物が多い部屋に住んでいるだけで、私たちの免疫力は静かに削り取られています。なぜなら、人間の脳は視界に入る物の数に比例してエネルギーを消費するからです。これを「認知荷重」と呼びます。散らかった部屋にいるとき、脳は無意識のうちに「あの服を片付けなきゃ」「あの本はいつか読もう」「あそこに埃が溜まっている」といった小さなタスクを何百、何千と処理し続けています。この微細なストレスの蓄積が、慢性的なストレスとなり、自律神経を交感神経優位に固定させ、免疫抑制物質の放出を招きます。捨て活によって物を減らすことは、脳への負荷を劇的に軽減し、心身を深いリラックス状態へと導きます。脳がリラックスすれば、副交感神経が正常に働き始め、免疫細胞の一つであるNK(ナチュラルキラー)細胞が活性化します。NK細胞は全身をパトロールし、ウイルスに感染した細胞やガン細胞を即座に攻撃する精鋭部隊です。捨て活で空間に余裕ができることは、あなたの体内に最強のセキュリティシステムを導入することと同じなのです。また、物を減らすことで掃除のハードルが下がり、常に清潔な環境を維持しやすくなるという好循環が生まれます。埃が溜まらない部屋では、アレルゲンによる免疫系の浪費が止まり、エネルギーを内面の充実に使えるようになります。免疫力アップのために特別な食材やサプリメントを探す前に、まずは自分の部屋にある「不必要なストレスの源」を捨ててみてください。床の面積が広がるごとに、あなたの体の中では免疫細胞たちが活気を取り戻し、より強く、より賢い防御体制を築き上げていくはずです。空間を空けることは、免疫力の余白を作ること。捨て活こそが、現代人にとって最も手軽で強力な「天然の免疫増強剤」となるのです。