私の育った家は、俗にいう「ゴミ屋敷」でした。玄関を開ければ、足の踏み場もないほど物が積み上がり、生ゴミの匂いが常に漂っていました。冷蔵庫の中はカビだらけ、風呂場は真っ黒、トイレもろくに掃除されず、私はいつも自分だけが汚い場所にいるような気がしていました。友達を家に呼ぶことはもちろんできませんでしたし、学校の持ち物を忘れても、取りに帰るのが恥ずかしくて、そのまま我慢していました。誰にもこの秘密を話せず、家族がいない場所では常に孤独でした。親は、決して私を殴るわけではありませんでしたが、食事はまともに出されず、洗濯もされず、学校の準備も手伝ってもらえませんでした。それが「ネグレクト」だと知ったのは、大人になってからです。幼い頃の私は、なぜ自分の家だけがこんなに汚いのか、なぜ他の家のようにきれいではないのか、ひたすら疑問と羞恥心に苛まれていました。大人になって一人暮らしを始めても、その影響は色濃く残りました。部屋をきれいに保つことができず、少し散らかっただけでパニックになるか、あるいは逆に「もうどうでもいい」と諦めてしまうかのどちらかでした。物を溜め込んでしまう親と同じように、私も物を捨てられない癖がついていました。しかし、ある日、自分がこのままでは親と同じ道を辿ってしまうのではないかと強く恐怖を感じ、初めて専門のカウンセリングを受けることにしました。カウンセリングの中で、幼い頃のネグレクトやゴミ屋敷の経験が、私の自己肯定感の低さや、物事への諦め癖、そして人間関係の築き方にも影響していることを知りました。それは決して楽な道のりではありませんでしたが、自分の心と向き合うことで、少しずつですが、過去のトラウマを乗り越え、自分自身の感情を整理できるようになりました。今は、まだ完璧ではありませんが、部屋をきれいに保つことができるようになり、友人や恋人を家に招くこともできるようになりました。ゴミ屋敷で育った過去は消えませんが、その経験を乗り越え、自分らしく生きるための糧にすることはできるのだと、今は強く感じています。この告白が、同じような境遇で苦しむ誰かの希望になれば幸いです。
汚部屋で育った私の告白