私の部屋は、まるで時間が止まったかのように物が散乱し、埃が積もり、足の踏み場もない「汚部屋」と化していました。どこから手をつけて良いのか分からず、毎日、その光景に心が沈んでいました。しかし、ある日、このままではいけないと強く思い、意を決して片付けを始めることにしたのです。まさに「どこから片付ける?」という問いに、自分自身で答えを見つける旅の始まりでした。まず私が決めたのは、完璧を目指さないこと。そして、毎日たった一つだけでも、何かを捨てることです。最初は、机の上の使っていないボールペン一本を捨てることから始めました。たったそれだけのことでしたが、心の中で「できた!」という小さな達成感が芽生えました。翌日は、床に落ちていたペットボトルを一本だけゴミ箱に入れました。そのまた翌日は、読み終えた雑誌を一枚だけ処分しました。このような「スモールステップ」を毎日続けるうちに、不思議と片付けへの抵抗感が薄れていきました。そして、少しずつ、片付ける場所の範囲を広げていきました。最初に集中したのは「床」です。床が見えないと、それだけで部屋全体が汚く感じられ、行動する気力が湧きません。床の物をゴミ袋に集める作業は、腰が痛くなる重労働でしたが、少しずつ床が見え始めるたびに、大きな喜びを感じました。次に、ゴミの分別です。生ゴミはすぐに捨て、リサイクルできるものは種類ごとに分けました。大量の資源ゴミが出て、何度もゴミ捨て場に足を運びました。その過程で、「こんなに無駄な物を溜め込んでいたのか」と反省する気持ちが湧いてきました。物を捨てる基準も設けました。「一年間使わなかった物は捨てる」というマイルールを決め、思い出の品だけは小さな箱にまとめることにしました。苦労したのは、物を捨てる際の罪悪感や、「いつか使うかも」という不安との戦いです。しかし、きれいになった空間を想像し、新しい生活への希望を胸に、一つ一つ物を手放していきました。片付けが進むにつれて、部屋の空気も心も軽くなっていくのを実感しました。今はまだ完璧な部屋ではありませんが、あの頃の絶望的な汚部屋からは大きく脱出できました。私のこの汚部屋脱出奮闘記は、一歩ずつでも良いから、とにかく始めること、そして諦めないことの大切さを教えてくれています。
汚部屋脱出奮闘記の記録